この度の新型コロナウイルスで、日常がずいぶん変わりました。アフターコロナでは、日々の生活や働き方も変わっていくことでしょう。入江明正堂も、はんこでご飯を食べているので、はんこはどうなるんだろうなあと考えております。
やっぱり、紙と印鑑を用いるアナログな決済手段が、電子印鑑や電子署名などのデジタルに置き換わっていくのは、新型コロナウイルスに関係なく、もう当たり前のこと。むしろ遅すぎるくらいだと思っています(あくまで私見です)。
もちろん、星の数ほどいろいろな仕事がありますから、アナログとデジタルがケースバイケースで選ばれますし、またデジタルのツールだって数多くあります。業務内容や書類の機密性などによって最適な方法が選ばれていくでしょう。
そして、いまはとりあえず、これまでの決済・承認の手段を紙からそのままデジタルに移行しよう、つまり、とりあえず電子印鑑を決済・承認の証明としよう、という企業もまた少なくないだろうなあと思いました。
そこで、手書きでの印鑑画像を使ってみてもらおう、と考えました。デジタルだろうと唯一無二の印鑑を、まずは持ってみてもらいたいと思ったわけです。
というのも、以前から気になっていたことですが、電子印鑑ってパソコン上で作った印鑑の画像でいいのでしょうか。契約や役所での手続きが100均のはんこでよしとされた、そんな今までの意味のない慣習が、今度はオンライン上でまた続くのでしょうか。それが何より嫌だなあと感じていました。
これが今回、職人の手書きによる印鑑画像を提供する理由です。もちろん手書きならセキュリティが十分とは思っておりません。でも中には、電子署名まで用いない回覧や稟議など、十分といえるケースもあると思っています。
さいごに、入江明正堂ははんこが好きです。でも商取引のセキュリティを担う主役は、デジタルに譲る時代が来たのかなと思っています(あくまで主役ですよ)。そんな世の中で小さなはんこ屋にできることは、あんまりないのかなと感じながら、何かのお役に立てればと思い、始めるサービスです。
職人は一人しかいないにもかかわらず、勢いで始めてしまったので、たいへん不安です。でも、創業から100年を迎えた2020年に、はんこの在り方が変わっていくのも何かの縁と思って、ちょっと頑張ってみます。
長々と失礼しました。そしてわざわざ読んで頂いて、ありがとうございました。
すみません、もうひとこと。これからの世の中は働き方も変わりますが、もっといえば生き方が変わるんじゃないかなあと、勝手に思っています。
当たり前が当たり前じゃないと気づかされる毎日です。効率を求められる一方で、一日一日を大切に、丁寧に過ごす生き方もまた、自然と求められるような気がしています。
入江明正堂も、そんな丁寧な生き方に寄り添えるお店になる計画を練っておりますので、どうぞ楽しみにお待ちくださいませ。